アルバイト探偵 拷問遊園地

大沢在昌著の「ミステリー小説」の
アルバイト探偵(アイ)シリーズの第4段の
『アルバイト探偵 拷問遊園地』。
シリーズものであるが、この第5段が一番ハラハラして面白い。

物語の主人公はシリーズを通して全て高校生の
冴木隆と父親の冴木涼介である。
冴木涼介は自宅兼オフィスで私立探偵として働いている。
真面目に働いているかと思えば、外見が良いのもあり、
日々女を自室に連れ込んでいる女好き。
そんな父親を見ながら育った冴木隆はグレることもなく、
健全に育った高校生である。
そして、冴木隆は普段は高校に通っているが、
父親の冴木涼介に仕事が舞い込めば一緒に事件を解決している。
今作の『アルバイト探偵 拷問遊園地』は、
彼らが住んでいるマンションが差し押さえられるという話から
物語がスタートする。
マンションに住めなくなると生活が出来なくなる冴木親子は
差し押さえを阻止するべく、銀座にある画廊のオーナーのもとへ向かうが、
このオーナーから指定の場所に向かい、品物を受け取ってくれれば、
差し押さえは無しという条件を出されたので彼らはその場所へ向かったのだが、
その場所にあったのはなんと赤ん坊だったのだ!
そしてこの赤ん坊を巡り、ヨーロッパのある組織と対立する事になる。

この『アルバイト探偵』シリーズは第6段まであるが、
なぜこの『アルバイト探偵 拷問遊園地』を選んだのかと言うと、
この物語を通して冴木隆は命の危険がある時でも
自分のプライドを曲げる事はせず、相手と対峙しているが、
前作での『不思議の国のアルバイト探偵』のある事件のせいで
ジェットコースターが苦手になってしまったのである。
しかし、今作で冴木隆はタイトル通り、死の拷問を受けるのだが、
それがジェットコースターによるものだった。
そこで彼は初めて命乞いをしてしまうのだ。
冴木隆にとってそれは屈辱であり、死ぬ事よりも
相手に服従してしまった事が情けないと思ってしまう。
しかし、そこからが彼の凄い所で、相手に倍返しを行うのだ。

プライドを曲げられて屈辱を味わえば、普通の人間であれば
もう相手の顔も見たくなくなるだろう。
しかしやられたら、やり返す。
一昔前の人情劇のようであるが、読んでいて応援したくなる。
物語自体は単純なミステリーなので、
頭を抱えて読むものではないので初心者の人には
このシリーズはおすすめである。

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